『邯鄲』

2017.09.12 Tuesday 16:42
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    JUGEMテーマ:読書

    夢というものは時として現実を生きるために導いてくれる。

    出世を望んで邯鄲に来た青年は、栄華が思いのままになるという枕を道士から借りて仮寝をし、栄枯盛衰の五〇年の人生を夢に見たが、覚めればほんの束の間だったという『邯鄲の枕』という中国のお話がもとになっている三島由紀夫、近代能楽集から。

    次郎が十年ぶりに家に帰って来ると、昔世話をしてくれた菊という女性と再会する。

    さらに昔に住んでいた、焼けてなくなった自分の部屋の折り紙細工が現れる。

    菊の元旦那が銀座でチャップリンのサンドウィッチマンから聞いた「枕」を菊が持っているということで横になり、人生の夢を見始める。

    今までにその枕で寝た者は起きるとすべてのものが馬鹿馬鹿しくなり、菊の前をから去って行ってしまうという。

    サンドウィッチマンも実は菊の元亭主だった。

    女、金、名誉、それらの夢を見て目を覚ました次郎は…

    何かを手に入れるために生きるのではなく、今生きていくことで大切なものと出会って行くのだなぁ。

    BOBI

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    『卒塔婆小町』

    2017.09.08 Friday 23:58
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      JUGEMテーマ:読書



      初めて形而上学的主題という言葉を見た時はなんぞやと思い、今でもあまりよく分かっていない。

      精神や世界、霊魂などと形のない感覚的経験を超えた学問ということだそうだ。

      それがこのお話を読んで理解し始めた。

      三島由紀夫の戯曲『近代能楽集』に収められた一編。

      公園の一角で老婆と詩人が織りなす問答から百年の時が遡る。

      愛し合っている若い者たちを尊敬する詩人に対して、彼らは死んでいると言う老婆。

      この始まりから惹きつけられた。

      物事は捉え方、解釈の仕方で形を変えていく。

      BOBI

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      『役者は一日にしてならず』

      2017.08.30 Wednesday 16:18
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        ローマは一日にして成らず。

        どんな世界でも経験を重ねていかなければ一流になれないが、役者というものはどれだけの時間がかかるのだろうか。

        平幹二朗、千葉真一、夏八木勲、中村敦夫、林与一、近藤正臣、松方弘樹、前田吟、平泉成、杉良太郎、蟹江敬三、綿引勝彦、伊吹吾郎、田村亮、風間杜夫、草刈正雄、と名優16人のインタビュー本である。

        それぞれの役者になったきっかけ、芝居への想い、演技に対する考え方など、貴重かつ勉強になる内容である。

        意外にも役者になろうとしなかった人が多いのには驚いた。

        先日読んだ浅田次郎の『活動寫眞の女』では京都の映画世界を垣間見ることができた。

        主人公が全盛期である映画のエキストラをやることは良いギャラをもらえるということから、食っていくためにという目的で役者をしていたのちの名優が生まれるのも時代だったのだろう。

        映画からテレビという時代、こんな中にいたら自分は役者を目指したいだろうか、やったとしても続けただろうか、続けられただろうか。


        この本に出てくる映画を観るのが楽しみだ。

        唯一何度か共演し映画の話をしていただいた蟹江敬三さんの作品から観ようと思い、選んだのは『犯す!』というロマンポルノ。

        これは監督が長谷部安春さんで、僕が蟹江さんと共演した土曜ワイドの監督である。

        蟹江さんも長谷部さんも亡くなったので、若い頃の作品は興味がある。

        しかし、TSUTAYAになかったので何かで探したい。


        役者が人とすれば、皆自分の個性、生き方様々で、戻ることがない道を必死に歩いているのだろう。

        演じながら。


        BOBI
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        『活動寫眞の女』

        2017.08.19 Saturday 16:21
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          JUGEMテーマ:読書

           

          映画好きには二倍楽しめる作品であろう。

           

          僕は京都も好きだから三倍楽しめた。

           

          前に買ってあったのを最近読み始めたら、映画のことがかなり含まれている内容なのでどんどん読み進んで行った。

           

          時は学生運動の頃で、東大の入試が中止されたことで京大に入った青年が、映画館で出会った地元の京大男子と、下宿先で隣室になる京大の先輩女子、そして美しい女優それも亡霊というお話。

           

          ファンタジーでありラブストーリーな青春物語だが、どう展開していくのか、謎を知りたいとページをめくって行く。

           

          おまけに日本映画の歴史や背景、マキノ省三から山中貞雄、溝口健二と巨匠たちのことなど情報がそのスピードを増して行く。

           

          この作品に出てくる映画を一つずつ観ていきたい。

           

          浅田次郎氏は相当映画好きなんだろうなぁ。

           

          出会えて嬉しかった本でした。

           

          BOBI

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          『食べる』

          2017.08.06 Sunday 23:02
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            JUGEMテーマ:読書

             

            女性の作者が世界を旅して食事をする。

             

            その食事はその土地にしかないものであり、現地人の文化や考えを知ることとなる。

             

            旅は本当にいい、というより旅無くして人生は有り得ないと感じる。

             

            自分の旅はまだ世界的に知れているところだが、作者の訪れた場所は行ってみた人間にしか分からない。

             

            旅は一人だ。

             

            最近は旅していないなあ。

             

            BOBI

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            『わたくしが旅から学んだこと』兼高かおる著

            2017.07.01 Saturday 21:51
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              JUGEMテーマ:読書

               

              こんなに世界の綺麗なところから秘境のようなところまで回り、多くの著名人から現地の人たちと出会った日本人はまずいないのではないだろうか。

               

              1959年から1990年まで31年間続いたテレビ番組『兼高かおる世界の旅』で、ナレーター、レポーター、ディレクターと何役も務め、取材した国は約150か国にものぼるそうで、1971年初の南極点到達の女性で北極点ものちに到達している。

               

              男に生まれていたら植村直己のような偉大な冒険家になっていたであろう。

               

              旅は人間を豊かにしてくれる。

               

              決して遠くでなくても、知らない土地に出かけ、人や自然と出会うことが大切だよなあ、と最近旅していない自分。

               

              また即興の旅に出るか!

               

              BOBI

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              『一日江戸人』

              2017.06.11 Sunday 23:26
              0

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                今の日本人いや東京人のルーツ、江戸人。

                 

                いろんな風習や流行りってものがどの時代にもあるんだなあ。

                 

                昔NHKでやっていた伊東四朗などが出演の『コメディーお江戸でござる』で江戸の町人文化を紹介していた杉浦日向子がこの本で詳しく当時の江戸人を教えてくれる。

                 

                職業やファッション、遊びや食べ物、言葉やセンス、粋なものなどと現代と比べながら読んでいくと面白い。

                 

                個人的には銭湯のことは楽しかった。

                 

                前を見ていたい自分だが、こういうルーツを知れたりするのは、進むためにも良いことだ。

                 

                BOBI

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                『それから』

                2016.09.24 Saturday 12:58
                0
                  評価:
                  夏目 漱石
                  岩波書店
                  ¥ 540
                  (1989-11-16)

                  JUGEMテーマ:読書

                   

                  読み出したのはかなり前なのだが途中ペースダウンしてしまい、読みたい本が溜まってきたので昨夜一気に読了。

                   

                  やはり最後の方は活字に惹きつけられ次の文字、次のページと求めて行ったので早かった。

                   

                  『三四郎』に続き『門』へとの三部作と言われているが間をあけてしまい途中に『こころ』を読んでしまって、『三四郎』の内容が大きくしか覚えていない。

                  しかし、解説を読んだら大事なところは押さえていたのでほっとした。

                  つまりは、本当に好きな人と結婚していない、ということだ。

                  『三四郎』においての美禰子で、『それから』の三千代だ。

                   

                  『それから』はまさに、「それから」が描かれている。

                  というより、それからが物語の始まりであり、未来を含んだ最後である。

                   

                  好きだったのに親友のために彼女を周旋してしまったこと、「それから」に苦しむことになる。

                  そして彼女も親友も。

                   

                  主人公代助が友の平岡に、彼の妻三千代への想いを伝えたあとにこんなことを言っている。

                   

                  「惜しい事に若かったものだから、余りに自然を軽蔑しすぎた」

                   

                  自然に逆らった「それから」が彼を彼自身の人生の潮流からを放り出してしまった。

                  そして、かれは気付く。

                  こんな文章がある。

                   

                  彼は父と違って、当初からある計画を拵えて、自然をその計画通りに強いる古風な人ではなかった。彼は自然を以って人間の拵えた凡ての計画よりも偉大なものと信じていたからである。

                   

                   

                  不倫が流行る今年だが、この当時は姦通罪なる法(昭和22年廃止)があったので肉体的には及んでなく、心が不倫したというのであろうか。

                   

                   

                  『吾輩は猫である』から夏目漱石を今年読み返しているが、子供のころに読んだものが今やっと理解、いや、楽しめるようになった気がする。

                   

                  BOBI

                   

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                  『こころ』

                  2016.07.03 Sunday 01:59
                  0
                    評価:
                    ---
                    新潮社
                    ---
                    (2013-05-24)

                    JUGEMテーマ:読書

                     

                    『三四郎』からだったせいか、読むのに時間がかかったようだ。

                     

                    こんな内容だったかと、いにしえに読んだ記憶さえも幻だったかと思うほど、初見のように読んだ。

                    難しく感じて途中で止めたのかもしれない。

                     

                    『猫』のときに感じたのだが、『三四郎』といい本作品といい、サスペンス状態にさせられるので知りたくて読んでいくのが予想外だった。

                    決してミステリーとかではないし、死ぬシーンはさらっと書かれてある。

                     

                    さて、トップレベルに挙げられる名作である。

                    生きる上で誰もが起こす過ちと後悔。

                    罪というものも本人がどう考えるかで大きさや重さは違う。

                    そして償い方も様々だ。

                    生きていながら生きる希望を持たず、終える時期を見計らいながら無情に流れていく時に体を任せている苦しみ。

                    自分だけが知っている真実をたった一人にだけだが明かせたときは喜びと感じたのだろうか。

                    死ぬからこそ誰かに打ち明けて禊をしたかったのだろうか。

                     

                    もう少しして読み返したい。

                     

                    雑司が谷の「かずくん」は元気かにゃ?

                     

                    BOBI

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                    『芥川賞・直木賞をとる!: あなたも作家になれる』

                    2016.04.24 Sunday 23:11
                    0
                      芥川賞・直木賞の舞台裏を通じて、新人賞をとるための秘訣などが書いてある。
                      文藝春秋の元編集員であり、多くの受賞作家を育てた高橋一清氏の言葉は学ぶことはもちろん、小説界の素晴らしさと同時に厳しさを教えてくれる。

                      今年2月に短編小説12本を「ショート・ショート大賞」に応募したことをきっかけに、翌月は「ミステリーズ!」に1作と、書き続けているので、次に狙う文学賞を何にしようかと思っていた時に見つけたので即購入、一気読み。
                      ページを捲りながら重要なところは赤線を引き、読み終えた後はそれらをノートにまとめる。
                      その感覚は何十年ぶりの勉強をしていた記憶を蘇らせた。
                      塾の数学の先生が使っていたポイントマークなどを久しぶりに書いた。
                      勉強は嫌いじゃない。
                      そこまでやりたくなるものかどうかだ。
                      今、それに対面している。

                      毎夜、寝る前にどういう作品を書こうかと考える。
                      そして夢の中に入っていってる。
                      そろそろ夢から出て現実のペンを握らないと6月の締め切りに間に合わなくなる。

                      BK
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