お名前は

挨拶の練習。

 

様々な状況で挨拶をし、名前を交換する。

 

会社の名刺交換であったり、バーで隣に居合わせたりと、何度もおこなった。

 

三人組のお笑い芸人になった。

 

相手は一人。

 

メンバーの二人はどうしようかという顔で俺を見たので、三人で声を揃えて喋ろうと始めた。

 

「こん

 

二人はついてこない。

 

「に

 

どうすればいいのか俺に窺うように、困った顔をしながら「こん」と遅れて声を出す。

 

俺は先をいうのをやめて、彼らのタイミングを合わせようと、声を出さずにいると、彼らは続けない。

 

俺は出す。

 

「ちは」

 

彼らは言わない。

 

周りがざわつく。

 

観客が座って俺たちを見ていた。

 

奥から「遊びでやってるのかよ」と女性の声がした。

 

 

受け入れれば良い。

 

自分にアイデアがなければ、ある人に乗ればいい。

 

三人で形になる。

 

 

対等が好きだ。

 

別にリーダーが誰とかじゃなくて、そこにいる仲間で今しなければならないことを達成できればいいじゃないか、と思うところで目が覚めた。

 

 

前回と同様、何か自分へのメッセージかと感じ、布団から出てパソコンに向かい、またブログに記した。

 

夢というのは面白い。

 

 

 

先日のMー1で決勝に残った「ぺこぱ」というコンビが実に興味深かった。

 

ボケに対して、ツッコミを入れたというトーンで喋り出すが、結果的に受け入れる。

 

ノリツッコミではない。

 

乗らないで、突っ込まない、そして相方を、または相方が発したことを尊重する。

 

その内容に現代の世の中を入れ、風刺になっていたりする。

 

ツッコミ役のルックスがビジュアル系ロックバンドのように、紫のスーツを纏い、アグレッシブな前髪で、目にメイクをしていて、そのいでたちで一瞬ふざけた奴だと思ったから、より凄さを感じた。

 

お笑いは趣味嗜好のものだから、優勝したとかしなかったはどうでもよいが、こういうセンスのコンビが出てきたことが、今の世の中を表していることだと認識することが大事である。

 

そして、それを多くの人間が支持したからこそ、全く見たことないコンビが決勝戦に勝ち上がったのだ。

 

「受け入れる」

 

本当に難しいことであり、自分も苦手だ。

 

しかし、それは本当に素晴らしいことだと感じる。

 

世界のみんなが受け入れ合えれば戦争は無くなる、と思った。

 

自分が即興演劇を通じて、「受け入れる」を知ったときに、「自分のためにある」と強烈に感じた。

 

それは自分が得意なものに出会ったということだと思い、ずっとそう考えてきた。

 

実は違ったのだ。

 

自分が出来ないから、必要だから、なのだ。

 

 

「受け入れる」に何かを感じた人は難しいことと考えずに、ぺこぱの漫才を一度見て見ると良い。

 

楽しくなる行為、その瞬間がのちの人生を変えてくれるかもしれない魔法かもしれない。

 

いつでも、どこにでも、あること。

 

そして誰でもできること。

 

BOBI

 

潜在意識か

三段で幅三間の高さ三尺の棚があり、細々とした置き物や絵、食べ物が飾られている。

 

棚の両側が出入り出来る様になっていて、外の明るい場所を往来する人が見えている。

 

そのさらに両側、棚と直角の壁沿いには椅子が置かれ、人々は座っている。

 

先輩が出てきて、「もう一つ置いたほうがいいかなあ」と言い、棚の正面の神棚のようなものの前に二尺四方の升を床に置いた。

 

先輩の前後に人が並び始めた、六七人。

 

棚と反対側の壁の前に立っている私の前にカップルがやってきて、並んでいる先輩たちにカメラを向ける。

 

先輩たちは半円を作りながら少しかがむ。

 

写真は撮らなかった。

 

列の先頭の女がぶつぶつ言い始めた。

 

暗闇での祈祷のような始まり。

 

お芝居を観にきていたのだ。

 

他の列の者たちも喋り出し、棚の方へ向かい集まっていく。

 

両側の客席の中で「もう耐えられない」や「俺好きだなあ」と言いながら笑っている。

 

何がおかしいのか全く分からない。

 

ただ、人が棚にあるものを見たり触ったりしながら、そのことと関係ないことを言う。

 

何も起きない。

 

アメリカに渡った友達が他の演者のことを批判する。

 

それにウケる客。

 

もう帰ろうとすると、後輩を見つけた。

 

カウンターの上に何枚もの絵が書かれたF6の画用紙。

 

「スクリーントーンしか使ってない?」

 

書かれた男の顎の濃さが気になって彼に聞いた。

 

「はい」

 

「水彩、水墨で塗ってあげればグラデーションが良い影になるよ」

 

彼は黙っている。

 

「この手と手も同じトーンにしてあげることで彼と彼女の愛情が表現できる」

 

彼は少し離れたところで壁にもたれて腰をついた。

 

「ケチつけられた」

 

小さな声が聞こえてきた。

 

「良くなると思って言ったんだよ」

 

周りのみんなはよく描けていると言うだろう、そのレベルは認めた上で、もっと高みに上がって欲しいから言ったのだ。

 

彼は正面を向いてぶつぶつ言っている。

 

 

ここで目が覚めた。

 

彼は東京での戦をやめて故郷に帰った男だった。

 

何か夢に出てきたことに意味がありそうだと、忘れないように、布団から飛び出し、とりあえずここに記した。

 

BOBI

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