『臣女』

2019.11.10 Sunday 21:17
0
    評価:
    吉村 萬壱
    徳間書店
    ¥ 715
    (2016-09-02)

    JUGEMテーマ:読書

     

    芥川賞作家の吉村萬壱氏の第22回島清恋愛文学賞受賞作品。

     

    浮気をしたことから妻が巨大化してしまうという、現実離れしている物語の始まり。

     

    読んでいくと排便や汚物の描写はページをめくるのを躊躇するほどの、臭さが届いてくるようだった。

     

    日に日に大きくなり歪な姿になる妻を介護のように世話をしていく。

     

    周囲に臭いで怪しまれるが必死に妻のために動く。

     

    こうして男女の純愛さを描いているのだと感じてくる。

     

    なぜ大きくなったとかはもう関係なくなる。

     

    小説って何でもあり、ということが理解できると同時にカフカの「変身」を思い出した。

     

    BOBI

    category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

    『送り火』

    2019.10.29 Tuesday 22:50
    0
      評価:
      高橋 弘希
      文藝春秋
      ¥ 1,540
      (2018-07-17)

      JUGEMテーマ:読書

       

      第159回芥川賞受賞作品。

       

      青森の小さな町に父の転勤のため越してきた中学三年生が地元の同級生の中に溶け込んでいき、今までにない体験をしていくお話。

       

      タイトルからも、最初の数ページを読んでもラストのような展開は想像できなかった。

       

      言葉の表現が見事な描写で次々とページをめくっていく。

       

      この前の『おらおらでひとりいぐも』は岩手だったが、この作品の中でも津軽弁が出てきて、特に訳してくれるようなことはないが、それが東京から来た主人公と同じ気持ちにさせてくれる。

       

      残虐性は人の中に隠れているのかもしれないが、少年時代はそれを知りたくなって表に出すのだろうか。

       

      この主人公は一年後に埼玉に戻るであろうということで、当たり触らず周囲と関わっていくのだが、これは大人の生き方なのかもしれない。

       

      主人公が成績表に書かれた「公平・公正」という言葉は、そう人に映すために自分の中では不公平・不公正なのだろうか。

       

      BOBI

       

       

      category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

      灯火親しむべし

      2019.10.20 Sunday 23:41
      0

        秋は涼しく夜長なので、灯火の下で書物を読むのに適している。

         

        という意味であるが、まさしくそんな気持ちになる。

         

        前は2.0あった視力が落ちてきて老眼にもなりだしているので少し経つと眠くなる。

         

        居眠りするにもちょうどいい気候である。

         

        『吾輩は猫である』で主人は本を読んで寝てしまうと、猫が教師という仕事は楽なものだと言っていた。

         

        読書で頭を使うから、眠くなるのだろう。

         

        一昨日も2冊買ったので、さっさと読まなければと思いながら横になってしまう。

         

        もう今日は遅いから寝ることにしよう。

         

        おやすみなさい。

         

        BOBI

         

         

         

        category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

        『少年探偵団』

        2019.10.18 Friday 20:10
        0

          JUGEMテーマ:読書

          少年探偵シリーズの第二弾だが、見事にやられた、というほど面白い。

          子供向けであるから、こうだろうなあという予測はつき易いが、とにかく展開を追って行きたくなる。

          本を読む楽しさってこういうことなんだろうなあとページをめくっていった。

          小説だから出来る面白さに改めて感心した。

          紙離れといわれる昨今だが、まだまだ可能性を秘めている活字の世界。

          BOBI

          category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

          『怪人二十面相』

          2019.10.11 Friday 17:59
          0

            JUGEMテーマ:読書

             

            こんなに楽しいことなんだと、読書に対してあらためて認識する。

             

            素晴らしい作品だ。

             

            子供の頃に戻ったようにワクワクしながら文字を追いかけページをめくる。

             

            あえて子供が読む文庫を図書館で借りた。

             

            難しい言葉も無く振り仮名があるので止まることなく進んでいける、と思ったが、たまに最近使わない言葉を調べたりした。

             

             

            母が明智小五郎をドラマで演じた天知茂が好きだった。

             

            渋谷の丸井に母に連れられ買い物に行った時に、天知茂がいたのだ。

             

            出来た頃の丸井は洋服を買う高級デパートのような場所だったから、店内は空いていて明智小五郎はゆったりと歩いていたのを今でも覚えている。

             

            母は喜んでいたが、私は彼の眉間のしわに探偵の不気味さを感じていた。

             

             

            江戸川乱歩作品はその不気味さという怪奇、幻想性がありながら、探偵の推理というミステリーとが混在しているから不思議な空間に誘ってくれるのが好きだ。

             

            この怪人二十面相、モーリス・ルブランの「怪盗ルパン」をモチーフにして作り上げたそうだが、人殺しはしないという点ではそうだが、その不気味さが魅力的なキャラクターとなっている。

             

            それに対抗する明智小五郎、小林少年とがまた勇敢で個性的で明るい日差しを取り入れるように謎の窓を開いていく。

             

             

            当時、軍国主義だった頃に戦争の事ばかりと沈んでいる子供達が夢中になった「少年探偵」シリーズ、現代でも同じように面白い。

             

            子供でなく大人でも。

             

            26巻、シリーズがあるが、全部読めるかなあ。

             

             

            台風19号が迫ってきている。

             

            怪人二十面相に盗んでいってもらいたい。

             

            BOBI

             

            category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

            『ニムロッド』

            2019.10.08 Tuesday 21:04
            0

              JUGEMテーマ:読書

               

              第160回芥川賞受賞作品。

               

              ビットコイン、飛行機、バベルの塔と絡まる話。

               

              ビットコインって本当によく分からなかったが、この本を読んでなんとなくだけど理解出来るようになってまずは感謝だ。

               

              それを知っていないと楽しめないというものではない。

               

              生きていく、生きているってことを日々の自分に取り巻くものにごまかされずに考えられるか、また行動できるかというのは真剣に考える人であればあるほど苦悩を伴うと思う。

               

              人が一人であって集合体ではない、はずだが遠く、遠くから、太陽から月から見たら、大きな人の塊として資本主義の名の下、欲を求めて争い蠢きあっている自滅行為を繰り返しているように映るのではないだろうか。

               

               

              臨時国会が開かれ、関電、表現の不自由展、教員のいじめ、台風と荒れる日本だが、自分を揺らがせないように一日一日を大切に生きていこうとより考える。

               

              ビットコインか、と思いながら読み始めて、今こうして考える自分がいるから本というものは素晴らしい。

               

              出会えて良かった。

               

              BOBI

              category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

              『おらおらでひとりいぐも』

              2019.10.05 Saturday 14:55
              0

                JUGEMテーマ:映画

                 

                素晴らしい作品と出会いました。

                 

                読み終えた時にあたたかい涙が溢れてきました。

                 

                若竹千佐子さんは岩手出身の主婦で55歳から小説講座に通い8年後の63歳で執筆した処女作で芥川賞を最年長で受賞した。

                 

                夫に先立たれ息子も娘もそれぞれの家庭を持ち、一人で住んでいる老女がこれから迎える死というものに向き合い、これからどう生きていくかを自分の中の大勢の自分と対話していくお話。

                 

                方言と標準語をリズミカルに使い、三人称と一人称を織り交ぜて語る文体は心地良い。

                 

                そこには自分が幼少の数年だが東北に住んでいたから、両親や親戚の言葉が体に埋もれていて、作品を読むことで浮かび上がってきたからかもしれない。

                 

                大体の意味は分かるし、スムーズに読んでいけた。

                 

                何十回と辞書を広げて使われている漢字や言葉を調べたけどね。

                 

                タイトルを標準語で言えば「私は私で一人で行く」

                 

                いぐも、は行くもの、というような決意の「も」だと思う。

                 

                いく、も行くと逝くが重なっているんだろうなあ。

                 

                 

                こういう年老いた主人公を描いた小説を「玄冬小説」というそうです。

                 

                死を前にした、年輪を重ねないと気づけないことかもしれないが、若いうちからこういう風に考えて毎日を生きていければ充実な時間を過ごしていくのだろう。

                 

                それができないから人生なんだろうけどね。

                 

                俺も俺で一人で行くぞ。

                 

                BOBI

                category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

                『ハリガネムシ』

                2019.09.28 Saturday 17:49
                0

                  JUGEMテーマ:読書

                   

                  この『ハリガネムシ』、私はとても好きだ。

                   

                  高校の副担任が学校内で起きている女生徒の問題で担任の女教師に心を寄せながらも、出会ったソープ嬢と過ごす時間で自分の中に秘められていたもう一人、もしくは本当の自分を見つける退廃的な話。

                   

                  最初からどんな展開をしていくのかぞくぞくしながら読んでいく。

                   

                  暴力という求めたくないものなのにリアリティな描写に引っ張られていった。

                   

                   

                  今日、著者の吉村萬壱氏の講演を聞いた。

                   

                  大変興味深い内容で大阪人のエンタメ性もあり有意義な時間を過ごした。

                   

                  BOBI

                   

                  category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

                  『さよなら、そしてこんにちは』

                  2019.09.09 Monday 19:24
                  0

                    JUGEMテーマ:読書

                     

                    お世話になっている方にいただいた短編集を読了。

                     

                    仕事小説とも言われるように描写が見事でどんなことをするのかがよく分かる。

                     

                    派手だったり、特殊だったりという主人公ではなく、身近な人の日常的な生活を切り取っているから親近感が湧きやすい。

                     

                    良く調べて書いたのだろうと感心する。

                     

                     

                    舞台も映画も、作られるものはあまりにも現実性がありすぎることのハンデというものがあるんだなあと気づかせてくれた。

                     

                    フィクションとノンフィクション。

                     

                    読み手がいるということは、何かしら手を加えないとならないのだろう。

                     

                     

                    A氏に感謝。

                     

                    BOBI

                     

                     

                     

                     

                    category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

                    『古典風』

                    2019.08.11 Sunday 21:32
                    0

                      JUGEMテーマ:読書

                       

                      タイトルに続けて、

                       

                      ーこんな小説も、私は読みたい。(作者)

                       

                      と書いてあるのが読む前から興味深かった。

                       

                       

                      AからHの章に分けられているのも変わっている。

                       

                      伯爵の子と下女という立場の違う男女の愛を皇帝ネロの話を織り込み描いている。

                       

                      『走れメロス』の一月後に発表されている作品というのは、ヨーロッパの歴史に興味を持っている時期だったのだろうか。

                       

                      「幸福」という終わりを持ってきているところが、本人も読みたいと思った理由なのか。

                       

                      BOBI

                      category:小説 | by:bobi kazunaricomments(0) | -

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