2024.03.17 Sunday
『冒険者たち』
大好きな映画を観たいが、サブスクでは別料金を払わないとなので、何度でも観れるDVDを購入した。
たしか、昔にビデオレンタル店で働いていたときに教えてもらい、観て感銘を受けたのがはじまりだったはず。
その後リマスタープリントとなって上映されたので、映画好きの友人を連れて新宿武蔵野館で初めてのスクリーン鑑賞をした。
海のシーンをはじめ、すごくきれいだった。
それ以降たまに観たくなりレンタルしたこともあった。
映画も小説も時間が経つとすっかり忘れてしまうことが多いのだが、これもそうで、覚えているところは鮮明な絵として記憶されているが、それ以外はすっかり抜けているので、今回も初めから刺激的で、最後は感動していた。
原作はジョゼ・ジョバンニ、監督はロベール・アンリコ、主演はアラン・ドロンにリノ・ヴァンチュラ。
この7年前の『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンも好きだが、本作品もいい。
フランスとイタリアのスターが共演で、ヒロインのレティシア役にジョアンナ・シムカスがこちらの心をざわざわさせる三角関係を作りだす。
主題歌のフランソワ・ド・ルーべの「レティシア」が、その心を見事に表現するとともに、3人の未来を語るように明るくそして不安にする。
幼いころ、秋田出身のいとこで、早稲田の落研に入っていたゆうちゃんがアラン・ドロンの真似をして笑わせてくれた。
ダーバンの宣伝でアラン・ドロンがビリヤードをしている映像で、最後にフランス語で話すCMだった。
それをゆうちゃんは、アラン・ドロンは秋田弁で喋っているんだよと、「ダーバン、七時でねえかまだ」と真似した。
それが本当にそう聞こえた。
実際秋田弁はフランス語に似ていると思う。
家に友達が遊びにきていたときである。
秋田のおばさんが電話をしてきて、母親が話をしていた声を聞いて、友達は「お母さん、フランス語話せるの?」と訊いてきた。
そのゆうちゃんはもういないが、こうやってアラン・ドロンを見ると思い出す。
2017年に一本ずつ映画と舞台に出演することで引退を宣言したアラン・ドロンだが、実現することなく今にいたり88歳。
もう映画で観ることはないだろうから、これからもこの『冒険者たち』を通して何度も楽しいゆうちゃんとの時間を思い浮かべるのだ。